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目立たない入れ歯とは？保険適用の入れ歯との違いは？
入れ歯は、失った歯を補う装置として、今も昔も多くの方に愛用されています。健康な歯を削ったり、外科手術を施したりする必要がないため、手軽に作ることができるのです。その反面、入れ歯には装置が目立ちやすいというデメリットを伴います。今回はそんな入れ歯の審美面のデメリットを解消できる「目立たない入れ歯」の特徴やメリット・デメリット、保険適用の入れ歯との違いについて詳しく解説します。
目立たない部分入れ歯とは？
目立たない入れ歯とは、金属製の留め具であるクラスプがない部分入れ歯のことです。専門的には「ノンクラスプデンチャー」と呼ばれるもので、クラスプのある保険診療の入れ歯よりも見た目が良いのが特徴です。保険が適用されないため費用がやや高くなりますが、次に挙げるような方にはおすすめといえるでしょう。
入れ歯を初めて使う方
初めての義歯治療で、保険診療の入れ歯を選択すると、装着時の違和感や異物感の大きさ、見た目の悪さにがっかりしてしまうかもしれません。慣れるまでにも時間がかかることから、途中で装着をやめてしまう方もいます。それならばフィット感が良好で、見た目も自然なノンクラスプデンチャーを選んだ方が良いといえます。
入れ歯の金属製のバネが苦手な方
部分入れ歯のクラスプは、笑った時に金属色が目立ってしまいます。歯が締め付けられたり、変形によって粘膜を傷つけたりする恐れもあるため、クラスプを苦手としている方は多いです。ノンクラスプデンチャーであれば、そうしたリスクを回避できます。
失った歯の数が1～3本程度の方
ノンクラスプデンチャーは、1～3本くらいの少数歯の欠損に向いている治療法です。同じく、少数歯欠損に適応されるブリッジよりも残った歯に与えるダメージが少ないです。
目立たない部分入れ歯のメリット・デメリット
目立たない入れ歯には、次に挙げるようなメリットとデメリットがあります。
メリット
○装置が目立ちにくい
ノンクラスプデンチャーの最大のメリットは、装置が目立ちにくい点です。白い人工歯とピンク色の床（しょう）から構成されており、金属製のパーツは一切使用しません。残った歯の状態にフィットするよう設計できるため、歯列に自然と馴染みます。
○装着時の違和感が少ない
ノンクラスプデンチャーは、歯に引っ掛ける部分が柔らかい素材で作られていることから、痛みなどの不快症状が出にくいです。装着時の違和感・異物感も最小限に抑えられます。入れ歯は1日中使うものなので、装着感の良し悪しも非常に重要なポイントとなります。
○金属アレルギーのリスクがゼロ
金属材料を一切使用しないので、金属アレルギーのリスクもゼロにできます。
デメリット
○自費診療になる
目立たない部分入れ歯のノンクラスプデンチャーには、保険が適用されません。特殊な材料を使用するため、費用はやや高くなります。
○安定性がやや低い
ノンクラスプデンチャーは、残った歯や歯ぐきに大きな負担がかからない装置ですが、その分、安定性がやや低くなっています。口腔内を激しく動かしたり、硬いものを噛んだりした時に入れ歯がズレたり、外れたりすることがあります。
○強い衝撃で割れることがある
ノンクラスプデンチャーは樹脂材料で構成されているため、強い衝撃を受けた際に割れる恐れがあるため注意が必要です。
保険適用の入れ歯との違いは？
ここまでは、ノンクラスプデンチャーという目立たない入れ歯の特徴を解説してきましたが、保険診療の部分入れ歯との違いも気になることかと思います。そこで保険診療の部分入れ歯の特徴を簡単に説明します。
特徴1：金属製の留め具が付随する
保険診療の部分入れ歯には、原則として金属製の留め具であるクラスプが付随します。入れ歯の審美面に重きを置いている方にとっては、この点が保険診療の最大のデメリットとなることでしょう。
特徴2：クラスプをかける歯に大きな負担がかかる
クラスプをかける歯には、噛む力の負担が通常の2倍程度かかるといわれています。その分、歯の寿命も縮まってしまいます。クラスプによる締め付けや圧迫感も感じやすいです。
特徴3：汚れや臭いがつきやすい
保険診療の部分入れ歯に使われるアクリルレジンは、吸水性が高く、汚れや臭いを吸着しやすいです。変色や変質といった経年劣化も起こりやすくなっています。
金属製の留め具がないノンクラスプデンチャーなら、上記の3つのデメリットを軽減することが可能です。
まとめ
今回は、目立たない部分入れ歯のノンクラスプデンチャーについて解説しました。金属製の留め具がない部分入れ歯で、装置が目立たず、装着感も良好です。保険診療の部分入れ歯の見た目や違和感が苦手な方にはおすすめの装置といえるでしょう。金属材料を使用しないため、金属アレルギーのリスクを回避できるというメリットも伴います。ただし、ノンクラスプデンチャーは自費診療となるため、治療にかかる費用は従来の入れ歯よりも高くなりますので、その点はご注意ください。
