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集患のための罠 ⁈
「ワンコインホワイトニング」というコピーに釣られて、とあるクリニックを受診した患者さんから聞いた内容と
実際の患者さんの口腔内を診査して分かったことがあります。
これは巷で(歯科業界)流行している集患システムの一つであるということ。
他にも色々ありますが、今回のケースでの問題点を挙げてみましょう。
先ず受診して直ぐにホワイトニングをしています。
ワンコインなので全体ではなく局所的ではありますが、
十分な診査もせず、院長ではなくスタッフが施術したということです。
帰宅後かなり強い痛みが発現したため、次回受診した際にそのことを伝えると、
今度は院長が施術して、虫歯があるのでは?などと言い、では保険で治療しましょう!と言ったそうです。
患者さんもそう言われて「ワンコインだからしょうがないかな?」と思いつつ、
何か信用できないと思い当クリニックを受診しました。
先ずホワイトニングを施した部位を診査してみると、エナメル質にクラック(ヒビ)があり、
しかも歯茎がわずかですが退縮して歯根部分の象牙質が露出しており、知覚過敏を今にも引き起こしそうな状態でした。
この部位の歯牙にホワイトニングは禁忌です!
しっかりと診査をしてればやらないはずです。
ですが、ここがワンコインという手軽さの落とし穴。
やる方も受ける方もハードルが下がり安易な気持ちになっているのは否めません。
院長が言ったかどうかは定かではありませんが「ワンコインだからねぇ~」
なんて言葉が聞こえてきそうです。
そして症状がでた(出した)歯牙の治療は保険で!って、
もしかしたら必要のない処置をした可能性すら見えてきます。
こうやって患者さんを集めるためにきっかけを作っているのです。
勿論きちんと本当に患者さんのためを思ってのことであればいいのですが、
今回のケースはどうでしょう?
実はこのような集患ビジネスは不況にあえぐ歯科業界の中で大人気です。
大概ビジネスモデルは歯科あるいは医療業界外の方々によるものです。
ホワイトニング、マウスピース矯正、フェイシャルエステ等々。
全く歯科医療とはかけ離れたものばかりです。
そのような発想を「流石、異業種の方々は考え方が違う!」などと称賛する歯科医師もいるのですから呆れたものです。
最近は本来の歯科医療が蔑ろになっているような気がするのは私だけではないはずです。