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脱インプラント宣言! その2

以下当時の内容のまま掲載します。
データはちょっと古い物にはなってしまいますが、あしからず。

◆ インプラントは本当に安全か?

最近の日本歯科医師会の発表によると、会員1000人に対してのアンケート調査に
423名の回答があり、歯科医の60.8%がトラブル、24.5%が重篤な偶発症を経験している
といいます。
また厚労省の報告によれば、2006~2010年度の5年間で177件のインプラント事故があります。

近年の死亡事故の事例も記憶に新しいところですね。
恐らくこれらの数字は実際よりも低いと見ていいでしょう。
何らかのトラブルがあるにも関わらず報告していない例もあると思われるし、
トラブルがあったが患者さんが病院サイドに申し入れず転院しているケースも
考えられるからです。
いぜれにせよ、上記の数字を見ただけでも安全とは言えないのは明白ですね。

◆ そもそもインプラントって何?

簡単に説明すると
人口歯根と称する異物を顎の骨に突き刺して、生体内と外部環境とを異物で
連結させている物

でここに医学的な「成功」という概念は存在しません。

ある病理学者はインプラントを次のように説明しています。
「インプラントは臨床的に見れば口腔機能の回復を行う補綴法の1つかもしれないが、
病理総論的に見れば病気の範疇に入る」
「病気の原因はインプラントそのものであり、インプラント自体が生体内に植立されるこ
とでインプラントと組織の界面が形成され病気の経過が始まる」
「臨床でインプラント周囲の上皮がきれいである、動揺が無い、レントゲン的に骨の吸収
がないなどの所見は、病態としては慢性経過の一時点であり、インプラントの転帰は、
良ければ慢性化の持続、感染を起こせば脱落への転帰をたどる。
なぜなら、インプラントと組織界面はなくなることはないので、組織の連続性が回復する
ことはあり得ないからである」

またインプラントを別の表現で説明している者もいます。

インプラントは次の3つのタイプのいずれかに入るもので、
医学的に見て完全に健康な状態で管理されているインプラントは存在しない。

1 病的インプラント
インプラント周囲組織に明らかに病理的変化がみられるものの、それは静的であり、
インプラントは臨床的には問題なく機能している。

2 失敗しつつあるインプラント 
病理的変化が進行しているものの、まだ臨床症状はないもの。

3 失敗インプラント
インプラントを支持している周囲組織(顎骨やその周囲の軟組織)に炎症が生じたり、
さまざまな理由で組織の破壊が生じ、その結果、患者に疼痛やその他の不快症状が
生じたり、インプラントが脱落してきます

ところが、は歯科医師と患者との間にトラブルが生じる失敗症例には含まれません。
なぜなら、この二つの種類の失敗は患者に「失敗」という認識をもたせないからです。

                   

◆ インプラントの予後について(高齢化に伴うリスク)

急速な高齢化に伴い、インプラントの将来に警鐘を鳴らしているドクターもいます。
鹿児島大学歯科麻酔科 歯科麻酔全身管理学の椙山加綱教授が鹿児島県歯科医師会報に
寄稿された「インプラントの普及」という項からの抜粋しました。

「最近、鹿児島大学病院歯科手術室でインプラント除去術が増加している。
先日、10年前に某歯科医院でインプラント手術を受けたが、最近著しい動揺を
認めるようになり、インプラントの除去が必要と言われた74歳の女性が当院を受診した。

インプラントが動揺し始めた原因はいろいろ考えられるだろう。
しかし、原因が何であれ、インプラントを除去しなければならないことは
確かなことである。

インプラントを埋入した後、10年、20年、30年経てば、
患者は10歳、20歳、30歳、年を取る。
インプラントが10年、20年、30年と長持ちすれば、
患者は10歳、20歳、30歳、高齢になる。

今後、超高齢化社会になり、患者の平均寿命が長くなれば、そして、脳卒中、右片麻痺、
パーキンソン病、認知症を合併して寝たきりになれば、患者の口腔清掃状態は
さらに悪くなるだろう。

そうなると、歯科医師は仕方なくインプラントを除去しなければならなくなってしまう。
そのとき患者は超高齢者になっていて、高血圧症、脳卒中、狭心症、糖尿病などの
基礎疾患を合併しているだろう。
ということは、インプラント埋入時よりもインプラント除去時の方が心臓発作や
脳血管障害などが起こりやすくなるということになる。

一生涯絶対大丈夫なインプラントなら理想的である。
しかし、果たして現実はどうだろうか。

もちろんインプラントの材質も埋入技術も今後ますます進歩するだろう。
しかし、一方で平均寿命は確実に延びている。
平成18年のわが国の平均寿命は女性で85歳、男性で75歳を超えた。

この間、79歳の女性が来院した。
60歳頃にインプラントを埋入したが、その後破折し、今後腫脹と自発痛があるという。
口腔内精査の結果、除去術が必要と判断された。
3年前に脳梗塞を発症し、現在抗血小板薬を内服している。
昨年、糖尿病と診断された。全身的リスクを考慮して静脈内鎮静法で手術を行ったが、
やはり除去術中に不正脈が頻発した。心室性期外収縮や上室性期外収縮が連発した。

85歳の男性。
20年前にインプラント埋入術を受けたが、今年になってインプラント周囲炎と
診断され、除去術を行うことになった。
心筋梗塞の既往があり、抗血栓薬、降圧薬、抗狭心症薬を服用しており、
心臓弁膜症もある。

つまり、実に皮肉なことなのだが、インプラントが長持ちすればするほど、そして、
それ以上に長生きすればするほど、患者は超高齢者になり、合併基礎疾患が増加し、
除去術中のリスクは増加するということになる。

もしも除去術中に脳血管障害や心臓発作が起こったら、いったい誰の責任なのか?
除去しなければならないようなインプラントを埋入した前の歯科医師の責任か、
口腔清掃を怠って周囲炎を起こしてしまった患者の責任か、
あるいは除去術中に偶発症を予防できなかった歯科医師の責任か。」

急速な高齢化で今後上記のような問題が多発すると思われます。
しかも忘れてならないのは、患者さんが高齢化するのと同時に
施術したドクターも高齢化するということです。
それこそ施術した歯科医院の存続も懸念されるし、インプラントを埋めた
ドクターがいるとも限らない。
寝たきりになった患者さんの口腔内に埋没されたインプラントは一体誰が
見るのでしょうか?

今現在患者さんの口腔内にインプラントをどんどん入れているドクターはどこまで将来を
見据えているのでしょうか?

歯科医がインプラントを勧める本当の理由

インプラントを勧める歯科医は、その利点を概ね次のように説明する
ことが多いようです。

1.最新の治療法で成功率が高い。
2.入れ歯に比べよく噛める。
3.両隣の歯を傷つけないので生体に優しい。

各々の理由に関しては今まで述べてきたインプラントに関する説明を読めば
インプラントを薦めるが故の理由に過ぎないということが分かると思います。
しかし本当の理由は患者さん側のメリットではありません。

それはあくまでも歯科医師側のメリットであり、経済的理由が主なるものでしょう。
事実、歯科医院経営セミナー等でインプラントとデンタルエステ(ホワイトニング)の
2つが今後経営安定には不可欠であるとさえ言っている所がほとんどです。
(デンタルエステに関してはここでは詳しく触れませんが、美容院と同等であり
歯科医療と言えるものではありません)

インプラントと呼ばれる人口歯根の値段は1本2万円から3万円程度です。
保険適用外ですからこれを患者さんの口の中に植立してインプラント義歯にすると、
1本につき30万円から40万円(インプラント専門と称する施設では60万円という所
も!)になります。

人工歯冠(インプラント上部構造)の技工料を差し引いてもかなりの利益が上がります。
これが高度の知識や技術が必要なら納得できる額ですが、
インプラントを導入している歯科医師たちの大多数は、全く白紙の状態から
1日~2日の講習を受けただけでインプラント材を購入し、それを患者さんの顎に
植立しているのです。

その3に続く

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