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健康のために 歩く!院長ブログ

Let’s enjoy RaceWalking vol 18 驚異のインターバル速歩!

みなさん、歩いてますか!? 

歩いていれば元気になれる。
元気になれば何でもできる。
1歩2歩3歩・ダァ~!

先日の2月8日、さいたまマラソンが雪のために中止になって、残念と思いながらも
ホッとしている院長です (^^;

昨年は3月16日に開催されたのですが、雨・風・低温という劣悪なコンディション下で、
エントリーしたにもかかわらず、DNS(レースを棄権)した方々が大勢いました。
また、スタートしても低体温症等のトラブルでDNF(制限時間内にゴールできず)した
方々も大勢いて、史上最悪のコンディションと言われているのです。

私は人生初マラソンだったのですが、競歩を嗜む者としてのプライドから、無謀にも
オール競歩で参加しました。(^^;
終始雨が降り続け、しかも気温が低く(レース中の平均気温5℃)更に風が吹きつける中
ひたすら歩き続け、なんとか無事に制限時間内(6時間)にゴール!(5時間55分53秒)
非常にきついレースでした。
途中27キロ地点で仮設トイレに寄ったのですが、思いのほか混雑しており、
10分程立ったままで待たざるを得ず、その間に完全に身体が冷え切ってしまい、
再スタートを切る際に身体が思うように動きませんでした。
今思うと恐らく低体温症の一歩手前だったのかもしれません (>_<)  ( vol 8 参照

人生初マラソンでこのような洗礼を受けたわけですが、 「こんな最悪なコンディションで
ゴールできたのですから、今後どんなレースでも大丈夫ですよ!」とは
一緒に参加したアスリートさんの弁。

ところがところが、今回のさいたまマラソン、1週間前の天気予報のアナウンスから、
かなり怪しげな状況になる可能性大!
しかも大会当日が近づくにつれどんどん悪くなる一方。もう不安しかありません。
前日予報では、昼過ぎまで雪でスタート時の気温がマイナス4℃とのアナウンス。
一緒にエントリーしたアスリートの知人も、流石に雪の中でもレースは未経験とのことで、
どうしようか悩ましいところだとか。
私も昨年の状況と比較して棄権するか非常に悩みました。
いっそのこと大会が中止になってくれれば・・・なんて思いもよぎったりして (^^;

当日の朝5時半に公式サイトで最終発表があるとのことでしたので、
半分棄権モードで就寝し5時半に起床しサイトを覗こうとしたら、アクセスが集中して
いるのか全然繋がりません。外は本格的な雪模様です。
しかたなく色々検索してみると「さいたまマラソン中止」の文字があちこちで
見受けられたので、中止と判断し二度寝を決め込みました (-_-)zzz
7時頃に起床し公式サイトで中止を確認し、家の周りの雪かきで一汗かきました。

当日雪が降っているにも関わらず、マラソンコースを走ったランナーさんが大勢いたようですね。
実際一緒にエントリーした知人も、見沼大橋まで走りに行ったらしいのですが、
雪が積もった歩道を走る方が結構いたそうです。
なかにはゼッケンを付けて走っている人もいたとか。よっぽど走りたかったのでしょうね。

さてさて前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。
以前こちらでお伝えした ” 速歩 ” に関するお話です。( vol 3参照

速歩とゆっくり歩きを3分間交互に繰り返してあるくことを ” インターバル速歩 ” と
定義づけられていますが、このインターバル速歩についてちょっと書いてみたいと思います。

インターバル速歩が開発された経緯と目的

1997年に長野県松本市で「中高年のための健康スポーツ教室」事業として「1日1万歩のウォーキング」
プログラムが開始されました。
結果、1年間で1日1万歩を継続できた人は全体の30%で、生活習慣病の予防・改善効果はみられるもの
体力の向上は認められませんでした。

歩行速度と持久力の向上のためには太ももの筋力増強が必要ですが、筋力増強はウォーキングでは
促されなかったため、ウォーキングに加えて週1回のマシンを使用した筋力トレーニングや持久性
トレーニングが実施したところ、プログラムを継続できた人は全体の80%に増加し、太ももの筋力が
20%増加、最大歩行速度が10~20%向上という結果が得られ、筋力・筋持久力の向上には、
マシントレーニングをウォーキングに加えて行うことが有効であることが示されました。

しかし、マシントレーニングは施設や指導スタッフの整備が必要なため、「誰でもどこでも簡単に
継続できる運動」として考え出されたのがインターバル速歩です。

このインターバル速歩は、信州大学大学院特任教授であり、NPO法人熟年体育大学リサーチセンター
副理事(2020年10月時点)の能勢博先生によって科学的根拠に基づき提唱されており、各個人の筋力や
体力に合った適度な強さで運動することができるのが特徴です。

インターバル速歩の効果について

考案者の信州大学特任教授、能勢博先生が中高年者を被験者に5か月のインターバル速歩の
トレーニング効果を検証した結果、筋力は平均約17%と1日1万歩歩いたグループより有意にアップ。
とくに歩く推進力に繫がるハムストリングスの筋肉が強化されることが分かりました。

さらに生活習慣病のリスク指標も5か月間のトレーニング後は軒並み減少したのです。

さまざまな生活習慣病は加齢や運動不足で筋力が減少し、筋肉内のミトコンドリアが衰えて
エネルギーを作る際に細胞を傷つける活性酸素が生じることが原因のひとつと言われており、
インターバル速歩で筋力を養うことで、ミトコンドリアの活性度が上がり、病気のリスクが下がる
と考えられています。

また、カラダだけでなくメンタルにも変化がみられました。
メカニズムは明らかになっていませんが、うつの自己評価尺度も5か月後には回復傾向が
見られたそうです。

 データをまとめるとインターバル速歩では次のような効果が得られました。

  • 体力の向上(筋力の向上・持久力の向上):筋力が10%、持久力が最大20%向上
  • 生活習慣病の改善:低体力の群で高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病指標※1の点数の値が
    20%改善
  • 気分障害の改善:うつ指標※2の値が50%改善
  • 睡眠の質の改善:睡眠効率(睡眠時間/寝床に入っている時間)が改善
  • 認知機能の改善:浦上式認知機能テストをPC用にアレンジしたプログラムによる認知機能測定の
    値が4%向上。とくに軽度認知障害(MCI)の人たちでは認知機能測定の値が34%改善
  • 関節痛の改善:膝関節痛の症状が、50%の人が良くなったと回答
  • 骨粗しょう症の改善:骨密度が第2-4腰椎で0.9%、大腿骨頭部で1.0%増加
  • 熱中症の予防:インターバル速歩後に糖質・乳タンパクを摂取すると、体温上昇に対する皮膚血管
    の拡張度、発汗速度が3倍亢進

※1 生活習慣病指標:1.最高血圧≧130mmHgまたは最低血圧≧85mmHg、2.空腹時血糖≧100mg/dl、
3.BMI≧25kg/m2、4.中性脂肪≧150mg/dlまたはHDLコレステロール≦40mg/dlの4項目について、
該当する場合に1点加算し、したがって4項目すべて該当する場合は4点満点とした診断基準。

※2 うつ指標:インターバル速度を行うことによる精神的・心理的評価についてはCES-D
(うつ病自己評価尺度:The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)を用いた。
CES-Dは全20項目(16のネガティブ項目(symptom-present):うつ気分・身体症状・対人関係、
4ポジティブ(symptom-absent)項目:ポジティブ気分)で構成されている。

フレイル・サルコペニアへのインターバル速歩の効果

加齢による筋肉量の減少、筋力低下がみられるサルコペニアは活動力の低下、体力の低下を
引き起こし、フレイルの要因となると言われています。

股関節人工骨頭全置換術後の患者がインターバル速歩を12週間継続すると、下肢筋力、
最高酸素摂取量、換気閾値が大幅に向上したという研究報告があり、身体機能が低下し、
筋肉が萎縮している術後の状態でも、インターバル速歩トレーニングを続ければ、筋力、
体力の改善がみられます。

この結果から、在宅でも取り組むことが出来るインターバル速歩は、サルコペニアやフレイルの予防
および改善を図るトレーニングとして期待されています。

 

インターバル速歩のうつ病治療への期待

うつ病は、最初の治療(薬物療法)で寛解する患者さんは30%程度と言われており、
論文等によると第4段階までの治療をしても良くなる方は70%弱で、3分の1の患者さんは治らない、
寛解には至らないとされています。
それが今の医学の限界とされているのです。
その限界の中で、運動療法は新たなアプローチとしての可能性があるといわれ、なかでも
注目されるのがインターバル速歩なのです。

インターバル速歩は、たった3分間の適切な負荷が、脳の栄養剤と呼ばれる神経成長因子(BDNF)の分泌
を促し、ストレスで萎縮した脳の神経回路を物理的に再生するとされています。
そしてこれは、「薬に頼りすぎない」という新たな治療選択肢として、日本のメンタルヘルスケアの
一端を担う可能性を秘めているのです。

では実際歩いてみましょう!

インターバル速歩のやりかた

  1. 視線は約25m先を見て背筋を伸ばした姿勢を保ちます。
  2. 足はできるだけ大股を意識して踏み出し、踵から着地します。
    初めは1.2.3と数えて3歩目を大きく踏み出すようにします。
    肘は90度に曲げて腕を前後に大きく振ります。
  3. 速歩のスピードは「ややきつい」と感じる程度で行います。
  4. 3分間の「速歩(さっさか歩き)と3分間のゆっくり歩きを1セットとし、1日5セット以上、
    週4日以上を目標にします。

1日の早歩きの合計が15分になればよいので、朝・昼・夜とこまめに分けて実施しても大丈夫です。
1週間で早歩きを60分以上、5か月間続けることを目標とするため、平日に時間がとれない場合は
土曜日に早歩き30分、日曜日に早歩き30分を行ってもよいとされます。

いかがでしたか?

超簡単にまとめると、インターバル速歩を実践することにより、フィジカル面の機能回復だけに
とどまらず、メンタルの改善も期待できるということですね ← まとめ過ぎ~ (^^;

やり方を読んで気づいた方も多いと思いますが、速歩 ≒ 競歩なのです!

そう、競歩のインターバルトレーニングがまさにインターバル速歩と言えるでしょう。

前出の能勢特任教授は
「加齢は否定的に捉えられがちですが、インターバル速歩を2週間程度続ければ眠りが深くなり、
ストレスに強くなり、自信や好奇心も高まります。
人生を輝かしく送るため、だまされたと思って、まずは2週間、チャレンジしてください」
と仰っています。

また、3日坊主にならないための工夫として
1:歩行記録を付け「見える化」する(自己比較)
2:一緒に歩く仲間やライバルを持つ(他者比較)
3:声を掛け合い取り組むグループをつくる(仲間づくり)
以上三つを挙げています。

スマホで記録できる「インターバル速歩」専用アプリも励みになるので
活用をお薦めしています。

これを私の普段の競歩のトレーニングと照らし合わせてみると

1:歩行記録を付ける → 
ガーミンのスポーツウォッチで記録し、専用アプリでスマホあるいはPCでチェック管理する。
要所要所のデータはノートにまとめておき、自分のスキルが上がったかどうか比較する。

2:一緒に歩く仲間やライバルを持つ → 
競歩クラブのイベントに参加したり、マスターズの大会に参加する。
マスターズでは5歳刻みでカテゴリー分けされているので、同世代と一緒にレースに参加できます。
何度か大会に参加すると顔見知りができます(何せ参加者が少ないので ^^;)

3:声を掛け合い取り組むグループをつくる → 
ウォーキングや競歩のグループやクラブで開催している練習会に参加する。
私は現在は陸歩クラブの月例会(毎第三日曜日に開催)に参加しています。
メンバーの方々とSNS等で情報交換もしています。

理想的には普段のトレーニング等でも一緒にトレーニングできる仲間がいればいいのですが、
なかなか見つからないのが悩ましいところです。(T_T)

因みに私のインターバルトレーニングは3分全力2分ゆっくり計5分を6セット(30分)
あるいは8セット(40分)です。
ガーミンの中に自分のトレーニングメニューとして入れてあります。
3分と2分に数秒前から教えてくれるのでとても使い勝手がいいですよ!

そんなわけでインターバル速歩でも競歩でもいいですから、とりあえず歩いてみませんか?

それではまた、Let’s Walk !

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